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動物看護師が国家資格になるのはいつから?愛玩動物看護師とは?

2022年5月より、「愛玩動物看護師法」が施行され、動物看護師になるには国家資格の取得が条件となりました。動物看護師の国家資格「愛玩動物看護師」の取得に向けて対策を取ることが、今後は必須のものとなるでしょう。

そこで本記事では、動物看護師の国家資格である愛玩動物看護師の資格について解説します。

動物看護師に必要な国家資格とは?

動物看護師になるには、今後「愛玩動物看護師」と呼ばれる国家資格の取得が必要になります。以下では、動物看護師の国家資格制定における背景やポイントを解説します。

動物看護師の国家資格制度はいつからはじまる?

2019年6月21日に、動物看護師が取得すべき資格として新たに国家資格が新設されました。具体的には「愛玩動物看護師」という資格を、国家資格にする法案が全会一致で可決されたのです。この「愛玩動物看護師法」は、2022年5月1日に試行され、これから動物看護師になる人に大きな影響を与えています。

愛玩動物看護師の資格を取得するには、国家試験の受験および合格が必要となります。国家試験は2023年12月までに第1回目が実施される予定となっていて、2022年8月時点で詳しい内容は公開されていません。そのため動物看護師を目指す人は、今後の情報を確認しながら国家資格の取得に向けて勉強をする必要があるでしょう。

従来は動物看護師になるために特定の資格は必要なかった

愛玩動物看護師の国家資格が新設されましたが、従来は動物看護師になるために特別な資格は必要ありませんでした。そのため動物看護師になるためのスキルを学べる大学や専門学校に通い、専門的な知識・技術を習得したことを証明することで、無資格でも動物看護師になることはできたのです。

その一方で、動物看護師を目指す多くの人は、自分の能力を客観的に証明するためにさまざまな資格を取得するケースがありました。一般的には「動物看護師統一認定機構」の「認定動物看護師」の資格を取得し、動物看護に関して一定水準を超える知識・技術を持っていることをアピールできるように備えた上で、就職・転職活動を行っていたのです。

そのため今後国家資格が必要になったとしても、そもそも動物看護師には資格取得を行う習慣があるため、特別に就職が難しくなるケースは少ないと考えられるでしょう。

動物看護師に国家資格が認定されることになった背景

動物看護師に国家資格が認定された背景には、動物看護および獣医療に求められるレベルが高くなっていることが関係しています。さまざまな症状に対応する必要が出てきているため、獣医師だけでは業務が回らない動物病院も増えているのが現状です。また、飼育する動物の種類も広がっていて、犬や猫だけでなく、小動物、爬虫類、鳥類といった動物に対応できる能力も求められています。獣医師の知識だけでは対応しきれず、診療を断られるケースが増える懸念もあるでしょう。

そこで動物看護師に国家資格を設定し、より能力の高い人材の育成を促すことで、動物病院および獣医師の負担軽減に期待されています。これまでは動物看護師の存在が欠かせない一方で、業務や資格に関する法律がありませんでした。そのため一定水準以上の能力を持つ動物看護師を確保することが、難しい現状にあったのです。

動物看護師の国家資格は、そういった現状改善を目指すことが背景のひとつになっています。

動物看護師の国家資格の概要

動物看護師の国家資格について知ることは、将来動物看護師になるための準備となります。制度がはじまったばかりであるため、今後変更される可能性もありますが、まずは以下で概要を確認しておきましょう。

動物看護師の国家試験を受験する条件

動物看護師の国家試験を受験するには、以下の要件を満たす必要があります。

・大学や専門学校で3年以上学び、必要な知識と技術を習得する

・指定のカリキュラムを修了する

上の条件を満たすことで、動物看護師の国家試験を受験できるようになります。国家試験に無事合格できれば、愛玩動物看護師の資格を取得して働くことが可能です。

前提として動物看護師になれる大学や専門学校に通う必要があるため、早めに進学先を決めておくのがポイントとなります。大学の場合、卒業まで4年の時間を必要とするため、3年でカリキュラムを修了できる専門学校がおすすめです。

「WaN国際ペットワールド専門学校」の「動物看護師・リハビリ介護学科」「動物看護師・美容学科」「総合動物看護学科」には、動物看護師になるために必要な知識・技術を効率良く学べる環境が整っています。授業内容は将来の国家試験対策にもなるので、この機会に詳細を確認してみてください。

動物看護師の国家資格取得によってできるようになること

動物看護師が国家資格を取得することで、従来は獣医師しかできなかった業務も担当できるようになります。具体的には獣医師の指示があれば、投薬、採血、マイクロチップ挿入、カテーテルを使った採尿などが、動物看護師でも行えるようになるのです。

結果的に動物看護師の国家資格取得は、獣医師の負担軽減や業務効率化につながり、動物看護師の需要を高めることになるでしょう。動物看護師としてできることが増えると責任も重くなりますが、その分やりがいも増加するため、モチベーション高く業務を行えるメリットもあります。

現職の動物看護師や学生には経過措置がある

愛玩動物看護師の国家試験を受験するには、大学や専門学校で3年以上の学習が必要ですが、現職の動物看護師や在学中の学生に対しては、経過措置が用意されています。

具体的には動物看護師に関係する業務を5年以上経験するか、「動物看護師統一認定機構」の「動物看護師統一認定試験」資格を持っていれば、30時間程度の講習会への参加と予備校試験に合格することで、国家試験の受験資格を得られます。

その他、2022年4月時点で現在動物看護師の学校に通っているで2・3年生(学科次第では4年生)および卒業生は、「動物看護師統一認定試験」を取得した上で30時間程度の講習会を受講すれば国家試験の受験が可能です。この場合予備校試験は必要なく、講習会での学習内容も一部が免除されます。一方で、2022年4月に入学した1年生に関しては、講習会の受講は必要ありません。

まとめ

動物看護師になるには、今後国家資格の取得が必要になります。新しい制度であるため確定していない部分も多く、これから動物看護師を目指す方はこまめに情報の確認が必要になるでしょう。この機会に動物看護師になるための国家資格について確認し、就職に向けた準備を進めるのがおすすめです。

WaN国際ペットワールド専門学校の動物看護師・リハビリ介護学科では、今後国家試験対策に向けての取組も行っていくため、ぜひ入学を検討してみてください。